公爵と見る十日間の夢
“夫に捨てられた公爵夫人”──それが、 わたしの呼び名。愛なき結婚ではじまったふたりの、甘く切ない英国社交界ロマンス。
エディーは社交界で、“夫に捨てられた公爵夫人”と噂されている。それもそのはず、夫マルグレーブ公爵は結婚後すぐに異国に行き、5年もの間それっきり。そもそも美しさとは縁遠いエディーが見目麗しい公爵と結婚できたのは、彼女が裕福な家の出で、一方の公爵は高貴な血筋ながら多額の借金を抱えていたからなのだ。だが、愛なき結婚であろうと、社交界で陰口を叩かれようと、エディーは一人きりの生活に満足していた。そんなある日、突然公爵が英国に戻ってきた。戸惑うエディーに彼は、跡継ぎが欲しくなったのだと言い出し……。