子爵と孤独な花嫁
19世紀英国、薄幸の令嬢と気高き子爵の奇跡のロマンス。無力な令嬢は、望まぬ結婚をただ受け入れるしかなかった…。
継母に疎まれ、異母妹たちのために裕福な男性と結婚することを期待されている令嬢サラ。社交界シーズン真っ盛りのある日のこと、サラたちは一家そろって郊外の瀟洒な館ソーンクリフへ休暇に訪れる。そこで両親の選んだ“有望な独身男性”と初対面し、サラは打ちのめされた。相手は親子ほど年の離れた年寄りで、好色な目を向けてきたのだ。結婚とは名ばかりで、売り払われるも同然だわ。悲嘆に暮れていたとき、同じく館に滞在中のスペンサー子爵と出会う。 サラの胸はときめくが、彼女には幸せな結婚など望めない理由があって……。