ドリーム、ドリーム
その夜見た夢で、彼はなぜか、私の恋人でした。堅物副社長が夢に出てきた日から、映画のような運命が動きだす──
副社長ポールの渋面を前に、リアはこっそり身を縮めた。ポールの下で働いてはや4年。社内で“ミスターしかめっ面”と揶揄される彼は、人生で笑ったことなど一度もないかのように気難しく、冷徹な手腕で恐れられている。見た目は思わずうっとりするほどすてきで、リアも入社当時は密かに心ときめかせたもの。だが今や、妥協を許さない彼の仕事ぶりは悩みの種だった。結局その日も急ぎの仕事を命じられ、遅くまで残業。帰宅したリアは、倒れこむように眠りについた。そしてその夜、不思議な夢を見る──すべてはそこから始まった。