野性の花嫁
紅茶の味も社交界の作法も、何ひとつ知らない──もちろん、恋も。 10 年間、城に軟禁された少女が、社交界で花開くとき。
著者:ジュリア・ジャスティス /
訳者:江田さだえ
訳者:江田さだえ
10年前に愛する母親から引き離されたヘレナは、暴力をふるう父のもと軟禁され続けるという不幸な少女時代を送った。その父が亡くなり晴れて自由の身になれたのも束の間、母はすでに他界していたことを知る。ようやく一緒に暮らせると思ったのに──悲しみの中ヘレナは母の遺言で、ロンドンに住む母のいとこレディ・ダーネルのもとに身を寄せることになった。だが引き合わされたダーネル家の家長アダムを見て、彼女は唇を震わせた。野暮ったい恰好のヘレナを心底ばかにするような表情が、世にもハンサムな顔に浮かんでいたのだ。