拾われた1ペニーの花嫁
一杯の紅茶が運んできた、夢のようなプロポーズ 途方に暮れたコンパニオンに、気高き紳士が手を差し伸べた。
著者:カーラ・ケリー /
訳者:佐野晶
訳者:佐野晶
見知らぬ土地でお金もなく、これからいったいどうすればいいの? 老夫人のコンパニオンをしているサリーは、ようやく決まった次の勤め先を訪ねたところ、雇い主が亡くなったと知らされ目の前が真っ暗になった。馬車の運賃を払った今、乏しい蓄えは底をつき、宿代さえない……。サリーは途方に暮れ、最後の銀貨を握りしめて紅茶を頼んだ。すると、見知らぬ紳士が声をかけてきた。困り果てた様子の彼女を放っておけなかったという親切な貴紳、海軍提督チャールズ卿は、サリーの話を聞くと驚くべきことを申し出た——彼との結婚を。