あなたの心が見えなくて
二人の愛の結晶を、彼は望んでいなかった。過去に傷つく会社重役の彼を、秘書の彼女はやさしく包みこむが…。
今になって、あのプロポーズの本当の意味を知ることになるなんて。アリサは悲しみのどん底にいた。年末のパーティで憧れの副社長ダークからダンスを申し込まれたのが、きっかけだった。ほどなくふたりは交際を始め、ある日彼は彼女にこう言った。“結婚してほしい。だが僕たちが子供を持つことは一生ない”と。それは衝撃的なひと言だった。それでもアリサは求婚を拒まなかった──彼を愛していたから。そして今日、アリサが妊娠を告げた瞬間にダークの態度は激変。彼女を冷たい目でにらみつけると、罵詈雑言を浴びせかけ……。【旧タイトル:待ちわびた奇跡】