セイレーンの涙──見えない愛につながれて
泣ける! 感動作。Erotica エロティカ 溢れる欲望、極限の愛。逃れられない愛の性(さが)を知ったのは15 歳のとき──
ノーラは小説家として岐路に立とうとしていた。今は扇情的なエロティカ作家として成功を掴みかけているが、次は特別な――私的な物語を書きたいのだ。唯一乗り気になってくれた出版社から来たのは、サディスティックな舌を持つ編集者ザック。彼に言葉の鞭で心をえぐられながら、ノーラは物語を紡ぎ始める。やがてその営みは、彼女が抱えるいびつな愛と心の闇を浮かび上がらせていく。普通の恋はできないとわかった、15歳のとき。すべてを教えてくれた昔の恋人。そして今、彼女に無垢な体を捧げようとする美しい少年のことを……。【ベスト作品コンテスト2013年下半期 第5位入賞作】