ショパンにのせて
最後の一口まで記憶に残るデザートを作ると評判のシェフ、サマーは、得意客の依頼に応じて世界中を飛び回り、その腕を披露している。だが有名ホテルの三代目ブレイク・コカランから、ホテルのレストラン改革という普段とは違う仕事を頼まれた。申し分ない給料に、好きなようにやっていいとの好条件。それにしても気に食わないのは、傲慢で自惚れ屋で、悔しいことに魅力的なあの三代目だ。彼の鼻っ柱をへし折ってやろう―サマーの闘争心に火がついた。