ためらいと涙とキスと
切ない女心にひたるならジーナ・グレイ。痛いほどわかっている――彼が運命のひとだということも、彼とは結ばれない運命だということも。
エリンは双子の妹を捜すためにサンタフェを訪れた。怯えた妹から電話があったのは12時間前のこと。何か事件を目撃したらしく、身の危険を感じて姿を消したのだ。手掛かりを求め、エリンは社長秘書をしている妹になりすまして勤務先の会社に赴いた。颯爽と現れた社長マックスは噂以上にセクシーで自信に溢れている。正体を気づかれずエリンは安堵を覚えるが、マックスは二人きりになったとたん、いきなり唇を重ねてきた。頭が真っ白になり、妹としてキスされていることを忘れかけたとき彼が耳元でささやいた。「きみはエリンだね」 【旧タイトル:真夜中のベル】