嵐の贈りもの
17歳のわたしにとって、あなたのすべてが初めてだった。名作家アン・メイザーの初期長編、ファン待望の文庫化!
著者:アン・メイザー /
訳者:草間のり子
訳者:草間のり子
嵐が通り過ぎたある朝、ルースの住む島に深手を負った男性が流れ着いた。介抱するため家に連れ帰るものの、他人を寄せつけない過保護な父の影響で、彼女は大人の男性に接したことがなかった。ドミニクという名の彼に見つめられるたび、胸にざわめきが起こる。17歳のルースはそれが意味することさえわからなかったが、やがて快復した彼から誘惑されると、本能の赴くままに応えた。初めて愛を知り、心に結婚という文字が思い浮かんだ直後、彼女の耳にドミニクの無情な言葉が突き刺さった。「このことは早く忘れてしまったほうがいい」