残酷な遺言
踏みにじられた初恋の破片が、いまも心を突き刺している…。せつなくも官能的なE・ローウェルの純愛ロマンス
著者:エリザベス・ローウェル /
訳者:仁嶋いずる
訳者:仁嶋いずる
私生児と蔑まれて育ったせいで傷つくことに慣れているララにも、絶望の底へ突き落とされた過去があった。4年前のある夜、初恋の人カーソンに純潔を捧げようとしたとたん、彼はララの出自を持ちだして冷酷に拒絶したのだ。一糸まとわぬ無防備な自分と、鎧のように軽蔑をまとった彼……。思いだすだけで全身が恥辱に焼かれ、心が凍りつく。いま、仕事でカーソンと再会したララは早くもくずおれそうになっていた。相変わらず魅力的な彼が、瞳にあからさまな欲望をたたえて見つめてきたのだ——あの夜をやり直そうとでもいうように。