放蕩貴族ナイジェルの窮地
結婚――それは、放蕩者にとって身の破滅を意味する。
友人の結婚の知らせを聞いてナイジェルは身震いした。いずれ爵位を継ぎ、結婚しなければならないが、今はまだ自由を奪われたくない。そんなある夜ナイジェルはちょっとした事件に遭った。愛人宅から放り出され、暗がりで隣家の少女に、紳士にあるまじき行為だと説教されたのだ。まったく愉快な子だ。ところが数日後の舞踏会で再会し、改めて見ると、彼女は妙齢の令嬢ではないか。僕に気づいているだろうか? 好奇心を抑えきれず、ナイジェルは彼女をダンスに誘った。あの晩、彼女がナイジェルを夫にすると決意したとも知らずに。
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著者紹介ヴィクトリア・アレクサンダー著者プロフィール
ネブラスカ大学を卒業後、TVレポーターとして華々しい成功を収めたのち、1995年に作家デビューを果たす。これまでに20作以上のヒストリカル・ロマンスを世に送りだし、そのたびに各紙ベストセラーリストの上位に登場している。夫はTV局の元同僚で、彼の名前は作品中の亡夫役としてしばしば使用されているという。ネブラスカ州オマハ在住。