清らかな背徳
罪をあがなう男と赤髪の乙女。愛を禁じたふたりの旅路の果ては―― 中世イングランドを舞台にした名作ヒストリカル・ロマンス。
燃えるような赤い髪のエリザベスは、新しい門出を迎えようとしていた。 父から役立たずな娘だと虐げられるのも今日でおしまい。 これからは修道女として新たな人生を生きるのだ。 遠隔地への聖堂へは、贖罪の旅の途上だという国王の非嫡出子一行とともに向かうことになったものの、 ウィリアム公は悪名高く、黒い噂が絶えない。 エリザベスはウィリアム公を警戒していたが、旅を続けるうち、噂とは違う真摯な彼に惹かれていき……。