子爵と忘れな草の恋人
わたしを忘れないで―― 本当はそう言いたかった。 英国貴族との恋から身を引いた踊り子。 6年後、二人は運命に引きあわされ…。 RITA賞受賞作家が贈る19世紀の叶わぬ恋。
カンザスの貧しい農家に生まれ、15歳で天涯孤独の身となったローラ。以来、生きるために踊り子に身をやつすが、海を渡ったパリで転機が訪れる。英国から来たソマートン子爵と激しい恋に落ちたのだ。しかし、貴族と踊り子に未来はない。悩み、苦しみ、ローラは彼の幸せのために身を引いた――それから6年後、運命は残酷にも二人を再会させる。温かだった子爵の瞳に浮かぶのは、今や憎しみだけで……。