偽りのエンゲージ
キャンディス・キャンプの名作19世紀ロマンス!嘘から始まる恋もある?天真爛漫でキュートな、伯爵令嬢の恋騒ぎ──
著者:キャンディス・キャンプ /
訳者:細郷妙子
訳者:細郷妙子
あんな嘘をついた報いだ──伯爵令嬢カミラは馬車の中でため息をついた。病に伏せる祖父を安心させるため、婚約者がいるなどとつい口にしてしまったのは先日のこと。そのせいでこうして祖父の屋敷へ“いもしない婚約者”を紹介しに行くはめになり、あげく考え事に耽っていたせいで道に迷ってしまった。途方に暮れたカミラは通りすがりの見知らぬ男に道を尋ねた。男の名はベネディクト。端整な顔つきながら大柄で無骨で傲慢そのものの男だが、ひょんなことからカミラはベネディクトに、偽りの婚約者を演じてもらうことになり……。