愛は命がけ
〈マッケンジー家シリーズ〉を新装版で刊行中。第3話はゼインが登場!
著者:リンダ・ハワード /
訳者:霜月桂
訳者:霜月桂
暗闇のなかでひとり横たわり、ベアリーは恐怖と憎悪と闘っていた。これがギリシア大使の娘を狙った政治的誘拐であるのは明らかだ。さきほど受けた暴行のせいで、体じゅうが悲鳴をあげている。ふたたび連中の言いなりになるくらいなら、死んだほうがまし……。そのとき、暗い部屋にするりと黒い影が忍びこんだ。ベアリーの背筋が凍りつく。するとその影は驚くほど機敏な動きで彼女に近づき、ささやいた。合衆国の要請できみを助けに来た、と。危険なほどに屈強な戦士ゼイン・マッケンジーとの、二人きりの逃亡劇が幕を開けた!