伯爵の想いびと
そのロマンスに、全世界が微笑む──リンゼイ・サンズついにMIRA文庫に登場! まるで19世紀倫敦の「とりかへばや物語」? 男装の乙女に、伯爵は許されない想いを抱いて…。
シャーリーは男装し、双子の妹を連れて非情な後見人から逃げ出した。道中、二人は若き伯爵ラドクリフと出会う。彼はまだ幼さの残る“兄妹”に同情したらしく、ロンドンの屋敷に匿ってやると申し出てくれたが、彼との旅には予想もしない困難が待ち受けていた。そんなに軟弱では妹を守れない、と彼は手取り足取りシャーリーに射撃を教え、2部屋しかない宿では当然のように1部屋を妹に与えて「我々は相部屋だ」と言う。ハンサムな伯爵を間近に感じるたび心臓が飛び出しそうになるシャーリーは、彼の戸惑いには気づくはずもなく……。