囚われの妻
海の彼方に消えた記憶。あなたはわたしの夫? それとも── 記憶喪失ロマンスの傑作復刻!スペイン富豪の屋敷に渦巻く、愛と疑念。
著者:バーバラ・フェイス /
訳者:中野恵
訳者:中野恵
目覚めたとき彼女は病室のベッドの上にいた。なぜこんな場所にいるのか。自分の名前すら思い出せない──そこに現れたのは、ルイスという長身で端整な顔つきの富豪だった。「きみの名前はアナベル。ぼくの妻だ」話によれば彼女はクルーザーの事故に巻きこまれ、一命を取り留めこの病院に運ばれたのだという。そうして記憶が戻らないまま退院を迎えたアナベルは“夫”に言われるがまま、カリブ海を望む豪奢な屋敷へ連れていかれる。でも……本当にこの人はわたしの夫なの? アナベルは言いようのない不安と違和感を拭えずにいた。