壁の花の願いごと
壁の花になったのも、あなたに会うための運命。可憐な令嬢は、陰謀うずまく社交界で熱いまなざしの男性に出会うが…。
著者:ジェニファー・マクイストン /
訳者:琴葉かいら
訳者:琴葉かいら
社交界にデビューして2年めを迎えた子爵家の令嬢クレアにとって、今夜の盛大な舞踏会は大切な催しだった。優雅にワルツを踊り、今度こそ理想の花婿候補に見初められるのだ。冷え冷えとした屋敷で問題だらけの家族と暮らすクレアには、結婚はただひとつの希望だ。しかしクレアは昼間の散歩中に足をくじいて、歩くのもやっとになってしまう。ワルツなど踊れるはずもなく、みじめな気持ちで部屋の片隅にぽつりとたたずんでいると、見覚えのない容姿端麗な男性が声をかけてきた。熱く真摯なまなざしにクレアの胸は高鳴ったが……。