狼たちの休息 ⅩⅩⅥ
わたしを守るために、あなたは記憶のかなたから来てくれたの?
十年前、たった五分間でレクシーの人生は一変した。アフリカの小国で、大統領の護衛と暗殺部隊との銃撃戦に巻きこまれ、背中を撃たれてしまったのだ。誰とも知れぬグレーの瞳の兵士に救われ、命は取りとめたものの、恐怖の記憶は長く脳裏に焼きついて消えることはなかった。そんな折、彼女の運営する慈善団体の建物に爆弾が仕掛けられ、不気味な脅迫が相次ぐようになる。不安を隠せないレクシー。そして急遽派遣されてきたボディガードのディークをひと目見た瞬間、不思議な思いに襲われた。わたしはこの人の瞳をどこかで見たことがある。彼はもしかして……。
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著者紹介ビバリー・バートン著者プロフィール
幼いころ、祖父から贈られた『美女と野獣』の絵本を読んでロマンス小説のとりことなり、九歳のときに初めて物語を書いた。それ以来、小説、詩、脚本と、学生時代を通じて創作活動に親しむ。結婚し、二人の子供を産んでから専業主婦となっていたが、執筆活動に復帰してからはアメリカ・ロマンス作家協会に加入し、大いなる貢献をする。1990年のデビュー以来、五十作以上の作品を発表し、マギー賞や全米読者選賞など数々の賞を受賞。とりわけ百戦錬磨のボディガードを主人公にした出世作『狼たちの休息』シリーズは新作が出るたびに各メディアから賛辞を受ける人気連作。ウォールデンブックスやUSAトゥデイ紙のベストセラー・リストの常連で、世界的ベストセラー作家リンダ・ハワードも彼女の実力を認め、絶賛を惜しまない。