ステラ・キャメロン
Stella Cameron

イギリス南部ドーセットで生まれ育ったステラは、イギリス19世紀を舞台とする得意のヒストリカル・ロマンティック・サスペンスをはじめ現代物サスペンス小説など、これまでに50作以上を発表する人気作家。ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト等でベストセラーリスト入りした作品も多く、新作は必ず北米の大書店チェーンの新作リストで紹介されている。ステラの作品には、封建的な古きイギリスでさまざまな制約を相手に奮闘する元気な女性がたびたびヒロインとして登場する。意地悪な悪役を立てるのもステラお得意の手段。軽快な筆致で描かれた物語を読み進めるうちに読者は知らず知らずヒロインとともに意地悪に立ち向かい、気がつくと200年前のロンドンにタイムスリップしている。そしてその背景には大の歴史ファンであるステラの緻密な時代研究がある。「パーフェクトなロケーションを見つけだすには物語の筋を考えるのと同じくらいのチャレンジ精神が必要」と話すステラの歴史の本は、手あかでいっぱいだという。『エトランジェ伯爵の危険な初恋』は本国でベストセラーとなったメイフェア・スクエア・シリーズの1作。ロンドンのメイフェア・スクエアにあるタウンハウスに住む人々に起こる奇妙な出来事をサスペンス感覚で綴っている。このシリーズはステラがある日散歩途中に思いついて始まったものだという。ベンチに座って向かいの美しく古い家を眺めていたところ、ドアからひとりの変わった男性が出てきた。彼の、この世にまるで生きていないような表情からインスピレーションを得て、同シリーズで案内役となる気むずかしい幽霊サー・スピヴィが生まれることとなった。現在は夫とともにアメリカのワシントン州シアトル郊外カークランドに住んでいる。「次に行く公演のチケットが机にないと落ち着かない」ほどの演劇好きで、1日12時間に及ぶこともあるという創作の合間をぬって劇場に足を運んでいるという。