ハーレクイン文庫
挙式を目前にしながら、花嫁となるアイシャの心は晴れなかった。誰もがこの結婚を名門一族同士の政略結婚だと思っている──夫となるカルロでさえも。幼い頃からカルロに淡い憧れを抱いてきたアイシャは、不幸な事故で10年前に前妻を亡くした彼が突然求婚してきたとき、内心は複雑だった。彼はまだ前妻を忘れてはいないはず。きっと、この結婚は私にとってつらいものになるわ……。果たして、アイシャの予想は的中していた。カルロの取り巻き女性の一人から、みだらな密告があったのだ。
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- 頁数
- 208頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2012年10月01日
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- 著者
- ヘレン・ビアンチン
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- 訳者
- 茅野久枝
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- 定価
- 681円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2012年09月20日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-93473-4
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- 書籍番号
- HQB-473 (初版R-1602)
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モニター
まさに花嫁の憂鬱という感じでした。ヒロインは、美人で裕福な家で育った一人娘。婚約者は幼い頃から好きだった人。政略的な要素はあるとはいえ、好きな人との結婚で、不足しているものは何もなさそうに見えます。ただ婚約者の愛情に確信を持てずにいることを除いては。結婚式の前の準備の様子や憂鬱になったり、不安になったりする気持ちなど、規模は違えど、共感を呼ぶのではないかと思います。予定していたものがうまくいかなかったり、完璧を目指す母親との衝突ややりとりなども。途中でヒーローを自分のものにしようと、二人の仲を裂こうと画策する女性が現れたりもします。ヒーローは最初はあまり感情が出ていない感じでしたが、最後にはちゃんとヒロインへの気持ちを伝えます。ラストは大団円で終わって、めでたしでしたね。良い作品だと思います。
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モニター
幼い頃から憧れ、深く愛してきたカルロからプロポーズを受け、幸せ絶頂といってもいい時期なのに、アイシャの気持ちは沈んでいた。政略結婚だと周りもカルロも思っているに違いないと思うアイシャの気持ちに追い打ちをかけるかのような、カルロを取り巻く女性からの告白。主人公アイシャよりも私自身が早くカルロの本当の気持ちを知りたくて……、話がどう進むのか知りたくて一気に読んでしまいました。
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モニター
家同士の結びつきを強めるための政略結婚。そこに愛はないのではないかと怯えるヒロイン。二人の行く先々にストーカーのように現れ、その仲を裂こうとする意地悪なライバル女性が、二人の関係に微妙な影を落とします。ヒーローが、愛する気持ちをなかなかヒロインに伝えないのでもどかしかったです。娘の完璧な結婚式を望むヒロインの母の存在感がすごかったです。最後の結婚式のシーンはヒーローが格好良くとてもよかったと思います。
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モニター
イタリアから移民してきた二人の若者は「ベニーニ・サンタンジェロ社」を起業。40年後、大成功した二つの家族は両家の娘と息子の結婚で更に固い絆を結ぶ。アイシャは幼い頃から恋心を抱いていたカルロとの結婚を喜んだものの、何故か“憂鬱”だった。この結婚に満足の様子を見せているカルロだが、今でも亡き妻を愛しているには明らかで、愛人関係をほのめかす魅力的な女性ニーナまで現れ、二人の影がさらにアイシャを悩ませます。ニーナの意地悪ぶりにアイシャが立ち向かうところは見所ですが、ポーカーフェイスだけにカルロの気持ちが最後までわからずハラハラしました。文庫サイズなのでとても読みやすかったです。
ニュージーランド生まれ。ロマンス小説界でもっとも権威あるRITA賞に、2度もノミネートされた実力派。ドラマティックなストーリー展開で、長きにわたってロマンスファンを魅了しつづけている。