ハーレクイン文庫
アラブのプリンス、シーク・ハッサンの苦悩は深かった。6年前に結婚したイギリス人の妻リオーナは、跡継ぎができないのを気に病んだ末、実家に帰ってしまった。さらに、それを知った隣国のシークが、自分の娘を後釜に据えようとリオーナの誘拐を企てているという。そんな折、妻が別の男にエスコートされスペインにいると聞き、ハッサンの怒りは爆発した。妻を守るのは夫の特権ではないか! 彼は部下にリオーナを襲わせ、豪華ヨットに連れ込んだ――誰よりも先に、妻を誘拐するために。
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- 頁数
- 208頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2012年10月01日
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- 著者
- ミシェル・リード
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- 訳者
- 柿原日出子
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- 定価
- 681円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2012年09月20日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-93471-0
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- 書籍番号
- HQB-471 (初版R-1900)
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モニター
魅力的で行動力のあるヒーローのハッサンが、ヒロインのリオーナへの愛を諦めない姿にときめきました。私はヒロインがヒーローに裏切られたり、傷つけられたりする作品は苦手なのですが、この作品はそういった心配もほとんどなく、安心して読めると思います。ヒロインが素敵な男性に愛され、追いかけられるようなロマンス小説が好きな方にはオススメです。ヒロインが精神的に自立した大人の女性だというところも好感度が高かったです。
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モニター
離れていても、障害があっても惹かれあって離れられない二人がせつなくて、そしてそんなに愛し合えるのが羨ましいくらいでした。どんなに苦境に立たされても決してお互いを愛することをやめられない、そんな究極の恋愛は読んでるだけで胸がいっぱいになりました。こんなに愛される主人公が羨ましいくらいです。
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モニター
大変な問題を抱えた夫婦の物語。愛し合っているけれど、あまりのケンカの激しさに、この二人、本当に大丈夫?……とハラハラドキドキ。手の内をすべて明かすことのできないヒーローゆえ、最後まで、関係は綱渡り状態。本来、アラブのプリンスと結婚した相思相愛の美男美女カップルは、おとぎ話の主人公のはずなのにね。シークの問題は、一般人のレベルではなく、とても深刻だけど、一つ一つ、お互いのために、勇気をもって立ち向かい、解決しようと努力する姿に、心から感動しました。
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モニター
実家へ帰ってしまった妻を誘拐して連れ戻す……というシークらしい強引さで始まりますが、シーク・ハッサンは自分の妻への愛を隠しません。夫は妻への愛ゆえに彼女をそばに留めようとし、妻は愛ゆえに去ろうとする。「愛している。それで十分じゃないか?」…….拍手! でも、愛する気持ちだけではどうにもならない時もある。豪華な場面設定と人の思惑が交錯するきめ細やかさ。読み応えのある一冊でした。できればもう少しボリュームが欲しいかな。
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モニター
愛し合っているのに反発してしまうヒロインとヒーロー。二人とも相手のためと思うからこそぶつかり合ってしまうのが、たまらなく切ないです。そしてヒロインが身を引こうと思い詰める理由が痛ましく、国を背負ったシークであるヒーローの辛さもわかっていっそう悲しい……。ヒロインが誘拐されて乗せられる、愛の別天地のような豪華なヨットですら、国家間のシビアな駆け引きの場となってしまう、その厳しさはロマンス小説の範囲を踏み越えているんじゃないか?とすら思えるぐらい。だからこそ、クライマックスのヒロインの行動には昂揚し、ラストのヒーローの独白にはたまらなく胸を打たれました。
1997年に『追憶の重さ』で日本デビューを果たした。その後も30作以上の作品を発表し、情熱的な作風で読者の絶大な支持を集めている。執筆の原動力となっているのは、緻密な人間観察、それにロマンス小説への飽くなき愛情だという。英国マンチェスター在住。