ハーレクイン文庫
今は亡き夫の不義の子テリーを育てているキャロルは、 彼の将来のために亡夫の実家を訪ねる決心をする。 キャロルとテリーがたどり着いたのは、 イタリアの美しい小島に立つ、壮麗な屋敷。 屋敷の当主ルドルフを見たとたん、彼女は衝撃を受ける。 貴族の血を引き、彫刻のような美貌を持ちながらも、 その横顔には人を寄せつけない傷跡がほの見えていたのだ。 キャロルはなんとか彼から滞在の許可を得たものの、 それと引き替えに提示された条件は驚くべきものだった。
-
- 頁数
- 224頁 / 文庫判
-
- 発行日
- 2012年01月01日
-
- 訳者
- 平敦子
-
- 定価
- 681円(税込)
-
- ポイント
- 0pt
-
- 発送予定日
- 2011年12月17日(予定)
-
- ISBN
- 978-4-596-93418-5
-
- 書籍番号
- HQB-418 (初版R-38)
-
モニター
外見や態度は悪魔のようなイタリア貴族のルディ。天使のような外見ながら情熱を秘めたキャロル。出会いはとても複雑な状況。そんな二人が辛い過去を乗り越えて紆余曲折を経ながら寄り添っていく様子は読み応えがあります。最後まではらはらしましたが,舞台設定が素敵な場所でしたし、まるで大人版おとぎばなしを読んでいるようでした。
-
モニター
初めて読む作者だったので、内容はどうかと不安でしたが、読み始めたらアッという間に時間が過ぎました。美女と野獣(専制君主)のような主人公の設定で、愛さえあれば容姿は関係なく幸せになれるという物語でした。
-
モニター
ヒロインもヒーローも、そして二人を取り巻く人々も過去に傷つけられた”愛と誇り”を心に秘めて今を生きていました。明かせない秘密が心の枷となっているヒロインは、まっすぐにヒーローを見つめることができません。そんなヒロインの後ろめたさを、自身の傷跡への反応だと誤解し、傲慢な言動でヒロインを翻弄するヒーロー。それぞれの”愛と誇り”の行方は何処に辿り着くのかを楽しむことができた作品です。
-
モニター
ヒロインが甥(双子の妹とヒロインの夫との息子)をつれてイタリアにある夫の実家に出向いたら、夫の兄に「子供をファミリーに加える為に君が俺と結婚しろ」という話は多いですが、ヒーローには「オペラ座の怪人」の如く顔半分に傷があるのは珍しい? ぐいぐい迫ってくるくせに心底ヒロインの愛を信じられずにいてヤキモキさせられます。さらに夫のイタリアの正妻ペデリアの狂気と嫉妬がメインの話が霞むほど恐ろしい。ハラハラしながらページを捲る手はノンストップ。最後まで楽しめました。
-
モニター
美しい島と屋敷、そして心を閉ざす男爵。彼に愛をささげることはできない。そうすれば嘘がばれてしまうから。そしてその嘘は大切な息子の将来を脅かす。子供を育てたことのある人であれば、そんなキャロルの心の声が聞こえてくるのではないでしょうか。そんなキャロルとともに美しく孤高の島を旅してください。
-
モニター
ウィンズピアの得意とする美しいロマンスを堪能した。亡き夫と妹の不倫の子供を、貧しいながらも自分の子供として懸命に育てるヒロイン。子供により良い環境を与えたく、疎遠の夫の家を訪れた事から物語は始まる。亡き夫の兄であり、顔半分に醜い傷跡を持つヒーローから便宜上の求婚を受け、子供の為に受けるが、いつしか愛し始めてしまうものの、伝える術がないもどかしさや心の葛藤が、少ない登場人物を通して見事に描かれていた。また、全編通して性描写が全く無く、ハーレクインには珍しいが、少しも気にならない程、内容が濃かった。一気に読んでしまったが素晴らしい作品であった。
-
モニター
ヴァイオレット・ウィンズピアの得意とする、古き良き時代を彷彿とさせる素晴らしい作品でした。夫と実妹に裏切られたヒロインが、二人の亡き後、不義の子供を連れ、夫の実家を訪れたところから物語は始まります。複雑な人間関系を通して、様々な愛の在り方や価値観が描かれ、真実の愛や尊い心が胸に溢れました。本当に愛してしまうと、外見ではなく、心がその人そのものなのだと、改めて教えてくれた作品でした。作品の中には、ゆったりした時間が流れ、そのなかに身を置きながら作品を楽しみました。
ロマンスの草創期に活躍した英国人作家。 第二次大戦中、14歳の頃から労働を強い られ、苦しい生活の中から“現実が厳しけ れば厳しいほど人は美しい夢を見る”とい う確信を得て、ロマンス小説を書き始める。 32歳で作家デビューを果たし、30余年の 作家人生で約70作を上梓。生涯独身を通 し、1989年に永眠するも、ロマンスの王道 を貫く作風が今もファンに支持されている。