ハーレクイン文庫
両親を亡くしたクレアは、貧しくも懸命に幼い妹を育てていた。ある日、様子を見に来た伯母から厳しい現実を突きつけられる。裕福な家へ養子に出すほうが妹のためだと忠言されたのだ。最愛の妹を手放すなんて……。激しく動揺したクレアは、ふと伯母の忘れ物に気づき後を追った拍子に車に轢かれてしまう。だが偶然にも、伯母の知人らしき男性アンドレアスに助けられ、けがが治るまで妹と一緒に彼の邸で暮らすよう提案される。クレアは戸惑いつつも妹のためにその申し出を受けることにした。まさか彼が“見せかけ”の妻子を必要としているとも知らずに。
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- 頁数
- 200頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2011年01月01日
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- 著者
- ミシェル・リード
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- 訳者
- 槙由子
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- 定価
- 681円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-93345-4
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- 書籍番号
- HQB-345 (初版R-1661)
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モニター
ヒロインのクレアは、異父妹を育てていて、とても愛情深い女性だと思いました。そういう女性だからこそ、ヒーローのアンドレアスも惹かれていったのだと思います。しかしそれだけでなく、芯の強い女性で、アンドレアスとの口論の場面は負けてなくて、なかなか楽しく読めました。アンドレアスは結婚に失敗し、結婚と女性に対して不信感を抱いていますが、若いクレアにとって、彼はとても大人で、そのせいで、誤解してるところもあったようです。それと、アンドレアスのおばあさまは、とっても素敵でした。こんなふうに年をとれたらいいなぁ。
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モニター
ヒロインの静かな強さも魅力的ですが、苦悩・家族愛などによって感情を抑えた影のあるギリシャ人ヒーローがとても新鮮です。『頑固者め』この一言が本来のヒーローの性格なのではないでしょうか? 静かなストーリーですが奥深い会話が随所にあります。スローな曲と一緒に読んでみて下さい。
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モニター
悲惨な状況下にいるクレア、そこに手を差し伸べたのはアンドレアスでした。裕福な男性ですから普通の女性なら喜んでしまいそうですがクレアは反発します。ましてや条件付きの結婚…色々な問題に悩まされ苦難を乗り越えたからこそ幸せになれたんでしょう。終始アンドレアスが謎に包まれていたのですがクライマックスで事実が明かされ、一気に霧が晴れた想いでラストは感動的でした。
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モニター
幼い妹を守るため必死に生きるクレアの気持ちが伝わってきて、自分が子育てをしていた頃が思い出され、胸がいっぱいになりました。伯母を追いかけ車に轢かれ、窮地に追いやられたクレアを助けてくれたギリシャの富豪アンドレアスの秘密にも惹き付けられ、最後まで夢中で読んでいました。心が温かくなるストーリーに感動です。
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モニター
クレアは母が遺した生後2ヶ月の妹との生活に困っていた。21歳と2ヶ月の妹という設定にもびっくりだけれど、作者は、つぎつぎと事件やスキャンダルやトラブルにヒロインを巻き込み、どん底の生活にまで突き落とす。しかもその中で可憐なヒロインが「泣いたり、ひっぱたいたり、叫んだり」とお嬢様のはずなのに、あれよあれよと、逞しく、よい意味で頑固で、賢い女に変容変身していくのが見ものです。
今回は、ヒロインのクレアだけでなく、ヒーローのアンドレアスにも、屈辱で苦しまずにはいられない足枷を用意してあります。でも、最後は「死ぬまで君を愛し続けるよ」そのあと、「ぼくの幸せのカップはあふれ出している」だって。月並みだけど、月並みだからジーンとくるのかも…。 -
モニター
ヒロインが若いせいか言動が少し幼く感じました。ヒーロー視点ではないけれど、ヒロインへの気持ちがしっかり伝わってきたので、最後まで安心して読めました。いろんな要素が詰まっていますが展開が早く、一気に読めると思います。
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モニター
ヒロインと謎のギリシア人との出会いが交通事故。そしていじわるな伯母。どこでどうつながるのだろう?と思いながら、ドキドキハラハラしながら一気読みしてしまいました。色々なところに秘密があって、最後になるほど!と納得して、ハッピーな気持ちになれました。
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モニター
出会い方が複雑だった為に、お互いに強く惹かれあいながらも、相手は周りのオプションではなく、自分自身を思っていてくれるのか?と思いが掴みきれないでいる二人の葛藤とそれぞれの思いに、切なさを覚えつつ、ヒロインが何事にも前向きであることに勇気づけられました。
1997年に『追憶の重さ』で日本デビューを果たした。その後も30作以上の作品を発表し、情熱的な作風で読者の絶大な支持を集めている。執筆の原動力となっているのは、緻密な人間観察、それにロマンス小説への飽くなき愛情だという。英国マンチェスター在住。