ハーレクイン文庫
ベリンダが恋人の兄ヴィンセントと初めて会ったのは、彼がふたりを別れさせるために自宅へ押しかけてきたときだった。きみとはただの遊びだ、弟には婚約者がいる――傲慢な態度でそう言い放つヴィンセントに反感を抱いた彼女は、きみと結婚したいと訴える恋人の言葉のほうを信じた。そして結婚の許しを得ようと先方の実家へ向かう途中、彼女は思わぬ事故にあい昏睡状態に陥ってしまった……。8カ月後、眠りから覚めた彼女の前に再びあの男が現れ、告げた。「弟は1週間前に結婚し、今はハネムーンを楽しんでいるよ」
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- 頁数
- 208頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2010年12月01日
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- 著者
- シャーロット・ラム
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- 訳者
- 松村和紀子
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- 定価
- 681円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-93341-6
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- 書籍番号
- HQB-341 (初版R-845)
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モニター
イギリス社会の階級差にコンプレックスを持つ点、やや複雑な家族構成を持つ点、生活不安を抱える点等、完璧ではない主人公・ベリンダに親しみを覚えました。逆に容姿・名誉・聡明さ全て持ち合わせたヴィンセントが彼女に惹かれた理由も分かるような気がし、読むたびに胸がキュンと来て、一気に読み終えました。また、二人のやりとりに躍動感があり、二人の姿が目に浮かびました。
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モニター
ヒロインのベリンダは事故にあい、目覚めると8ヶ月が過ぎ、恋人は別の人と結婚していた…そんな不幸のどん底から物語りは始まります。ベリンダにとって恋人の兄のヴィンセントは恋人との間を邪魔する敵のような存在でしたが、一緒にすごすうちにヴィンセントの優しさや男らしさにひかれていきます。なかなか素直になれない二人がもどかしくも感じます。こんな奇跡があったら素敵だなと思わせるストーリーでした。
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モニター
ストーリーは無理なくドラマチックに進みます。主人公が不安を抱えながら一生懸命目の前にいるヴィンセントや現実と戦っているのが良かったです。一方、相手のやり方が強引過ぎると思いました。事故後の女性への思いやりが無いし、説明不足で不安にさせている事も不満でした。愛しているのなら誠実な対応や言葉があったはず・・そう思うと、不器用な接し方が残念でした。
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ヴィンセントが少し強引すぎるっていう場面も少々ありました。べリンダが自分の気持ちを認めたくないのも分かりますが、すごくもどかしかったです。
でもそういうのがいいんじゃないかと思いました。最後の部分があっけなく、もう少し詳しく描いてくれればな、と思いました。
第2次大戦中にロンドンで生まれ、結婚後はマン島で暮らす。大の子供好きで、5人の子供を育てた。ジャーナリストだった夫の強い勧めによって執筆活動に入り、100作以上の作品を著す。2000年秋、多くのファンに惜しまれつつこの世を去った。