ハーレクイン文庫
元見習い看護師のマーリンは、美しい南の島に降り立った。この島には、かつて彼女が働いていた病院で外科医として活躍していたポール・ファン・セタンが住んでいる。天才の名をほしいままにした彼だったが、それももはや昔のこと。正看護師が調合し、マーリンが手渡した点眼液のせいで、彼は視力と、外科医としての将来を失ってしまった。世間の冷たい目にさらされ、彼女は罪の意識に苛まれ続けた。そのポールが今、著作をまとめるための秘書を募集している。マーリンは身元を隠して彼のために尽くすことを決心するが……。【今月の究極:語り継がれる名作】
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- 頁数
- 224頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2010年09月01日
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- 訳者
- 山路伸一郎
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- 定価
- 681円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-93322-5
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- 書籍番号
- HQB-322 (初版R-98)
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モニター
身元を隠し、年齢を偽り、かつてあこがれていた元外科医師、ポールの秘書として、彼の元で働くことを決め、美しい島に渡るマーリン。憧れから恋心へ・・・罪の意識から、ポールを想いつつも、心を隠して、献身的に彼に尽くす様子は、涙を誘いました。約束されていた未来を失ってしまったポールの暴君ぶりに、マーリンが深く傷ついてないか、ドキドキしながらも、最後まで一気に読みました。最後はハッピーエンドになって本当に良かった。心優しく、美しいマーリンには幸せになって欲しい・・・心からそう思いました。素敵な作品との出会い。ありがとうございました。
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モニター
ヒロインの一途な愛に心打たれました。途中からポールが誤解してマーリンに対してかなり辛辣な態度をとっているのに、マーリンがポールに対して変わらない愛情を抱き、耐えに耐えているところがもどかしくもあり、グッときました。あと、最後ちょっと意外な結末でビックリしました。とにかくマーリンは健気で応援したくなる作品だったので、恋愛で苦しい想いをした事のある人には励みになってオススメです。
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モニター
本当に名作ですね。最初から目を離せない緊迫感、すごいです。また、題名の通り、ヒロインの「献身」には頭が下がります。ここまでできるのか、と思うくらいヒーローに尽くしています。最近は気の強いヒロインが多い中、とても新鮮でした。結末は読んでからのお楽しみですが、感動すること間違いなしです!
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モニター
自分が結婚しようとしている女は自分の視力を奪った女かもしれない、と思いながらもマーリンに惹かれる気持ちを抑えられないポール。愛する男は自分を許すことはないだろうと思いながら報われない愛を貫くマーリン。ポールがマーリンを真犯人と勘違いするあたりから、自分の気持ちをコントロールできないでいるポールがとても切ないです。もともとは少し古い作品で読むのは二度目ですが、翻訳の良さで古さは全く感じませんでした。(特にパソコンが出てくるあたり)
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モニター
ヒロインのマーリンの純粋さ、優しさに読んでいて心が洗われていくようでした。視力を失ったヒーローの苦しさに寄り添っていくうちに二人は次第に心を通わせていきますが、自分の正体を見破られてしまったらどうしようという不安が読んでいるこちらにも伝わってきます。最後はどうなるのか・・・どきどきしながら読みました。ハッピーエンドになるのは分かっていても、なかなか味わい深い終わり方でした。
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モニター
『魔法使いのマーリン』盲目の元天才外科医ポールが全身全霊を傾けて尽くしてくれた元見習い看護師マーリンに贈った言葉そのままの作品です。ヒロインの広く深い愛情が魔法のようにポールの凍り付いた心を溶かしていく。恋の逆恨みからヒロインに盲目にさせられたと誤解したままにもかかわらず、ヒーローがそれでも彼女に惹かれていくのも当然です。暴言を吐かれてもひたすらポールに尽くす姿は切なかったけれどエンディングでの家族の幸せな姿で報われました。
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モニター
マーリンの愛で奇跡が起こった。人に意地悪されても、自分の信念を曲げない。全て愛ですよ!ウイットにとんでるし。描写のさらりとしたところも、魅力でした。読む価値ありですよ!!
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モニター
ページが進むごとに切なさで胸が苦しくなってしまいました。濡れ衣を着せられたヒロインが恋心と贖罪を秘め、今は盲人となっているヒーローの元で、ただひたすらの愛情を捧げ続けます。誤解から真実が見えないヒーローと、ヒロインの純愛がウィンズピアの巧みな心理描写によってヒシヒシと伝わりました。『献身』のタイトルに相応しい、人を愛する心が美しくも哀しい作品でした。最後は胸が熱くなりました!! 本当に素晴らしい作品です!!
ロマンスの草創期に活躍した英国人作家。第二次大戦中、14歳の頃から労働を強いられ、苦しい生活の中から“現実が厳しければ厳しいほど人は美しい夢を見る”という確信を得て、ロマンス小説を書き始める。32歳で作家デビューを果たし、30余年の作家人生で約70作を上梓。生涯独身を通し、1988年に永眠するも、ロマンスの王道を貫く作風が今もファンに支持されている。