ハーレクイン文庫
ある日、リサのもとに、義妹から一通の手紙が届く。 来月には結婚するので、実家に帰ってきてほしいという。 捨てたはずの過去とわだかまりが残る、あの豪奢な屋敷に? 18歳の夜──脳裏を2年前の、冷たい義兄デーンの顔がよぎる。 不品行な義妹をかばったせいで、リサはふしだらな娘と蔑まれ、 デーンに力ずくで組み伏せられたのだ……心から慕っていたのに。 耐えきれないリサは家を出た。二度と帰らないつもりで。 義妹の頼みを断る理由を考えていたとき、ふいにドアベルが鳴る。 扉を開けると、そこには鋭い嘲笑を浮かべたデーンがいた。
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- 頁数
- 200頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2018年11月01日
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- 著者
- サラ・クレイヴン
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- 訳者
- 三木たか子
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- 定価
- 682円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2018年10月19日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-93909-8
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- 書籍番号
- HQB-909 (初版R-412)
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モニター
タイトルが素敵。リサはトップモデルなのに気取ったところがないし複雑な家庭環境で心の傷に蓋をして素直になれず可哀想。デーンも義妹ジュリーの尻拭いをしているだけのリサをことごとく悪く思って責めていくので腹立たしいほどで、「嫌い合っている」二人がいつか心を結ばせることができるのか心配しながら読みました。ジュリーの身勝手さには呆れましたが結婚騒ぎのおかげでヒーローとヒロインを再び巡り合わせたし、リサのことは大切に思っているので最後には案外可愛く思えてきました。深まる秋にしっとりと味わえる大人の物語です。
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モニター
元々好きな作家なのですがこの作品は読んでいませんでした。85年の作品でしたが新鮮でした。最初から最後まで我儘な義理の妹に振り回させているなかで物語は進んでいきます。リサは自立してモデルとして成功していますが、幼いころから冷たくされても義理の兄への思いを捨てることができません。どこか割り切れなかったリサが、ある意味義妹のお蔭でハッピーエンドになれてホッとして読み終える作品でした。
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チョコミント
人を愛することは理性や理屈で割り切れないものですが、ヒロインはあまりに強烈なショックによって、初恋をこじらせてしまったような状態なのかもと思いました。弱冠二十歳でこれからもっと別の男性と出会うこともできるのに…。そして義兄もヒロインよりもかなり年上だというのに、実は愛していたんだというにはあまりに態度がひどくないかと…。きっとこれからもヒロインはヒーローを甘やかし続けるんだろうなぁ。
イングランド南西部サウス・デボン生まれ。ジャーナリストとして働いたのち、1975年に『バラに想いを』で作家デビュー。40年以上にわたって活躍し、93作品を上梓。陰影のある独特の作風で読者の心を揺さぶり続けたが、2017年11月、惜しまれつつこの世を去る。遺作『恋も愛も知らないまま』は2018年10月に刊行された。