ニコールは、キング家の歴史を本にまとめる仕事を依頼された。依頼主のイザベラ・キングには、孫息子が三人いる。上の二人はすでに結婚したが、末のマットはいまだに独身生活を謳歌しているという。ニコールは彼にキング家ゆかりの地を案内してもらうことになった。ところが、マットは会うなり彼女に皮肉な言葉を浴びせてくる。「なにが歴史研究家だ。どうやって祖母をだました?」キング三兄弟の中でもいちばんハンサムな彼の言葉に、ニコールは当惑を覚えた。なぜ私にこんなに冷たくするの?実は、マットは以前ニコールを見かけたことがあり、そのときの彼女の行動を誤解していたのだった。ニコールはマットの激しい敵意を耐え忍ぶしかなかった。