「一人の男性としてのあなたが好き」ケイトは震える声で、ボスに告げた。そして胸が張り裂けそうな思いで、目をそらす彼を見つめた……。ボスのマイケルとふとしたことから一夜をともにしたのは2カ月前。それまで、彼がケイトに目を留めたことはなかった。彼女のほうはといえば、3年間ずっと彼に思いを寄せていた。だからこそあの夜、自分をただの秘書ではなく女性として見てくれた彼に淡い期待を抱いてしまった。だが翌朝、彼はうろたえた様子で彼女に詫び、仕事だけの関係に戻ってしまった。でも、私にはできない。ケイトはこみ上げる吐き気を抑えた。元の関係に戻れない理由ができたのだから……。