ハーレクイン・シリーズ
ヘロンは幼いころ、睡蓮の花を摘もうとして湖に落ちた。そのとき助けてくれた庭師の青年のことが忘れられず、美しく成長した今も、誰も愛することができなかった。とはいえ、その青年のことはおぼろげにしか憶えていないのだが。ある晩ヘロンは、パーティで謎の紳士に突然プロポーズされる。エドウィンと名乗ったその男は外国から戻ったばかりの実業家で、町外れの海に面した崖に立つ“ガラスの城”を買い取ったので、そこに似合う若くて美しい妻が欲しいのだという。年上の謎めいた男とあの不気味な城で暮らすなんて、絶対にいや! 激しく拒むヘロンを、彼はすべてを見透かすような目で見つめ……。
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- 頁数
- 160頁 / 新書判
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- 発行日
- 2012年05月05日
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- 訳者
- 松本果蓮
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- 定価
- 723円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2012年04月20日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-22226-8
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- 書籍番号
- I-2226
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モニター
オリエンタルな魅力を持つ実業家エドウィンと、事務員ヘロンのラブストーリーは、さながら現代版シンデレラのようでした。物語に登場する宝石やドレス、お花の色鮮やかで繊細な描写が、作品をより魅力的にキラキラと輝かせてくれています。仕事で疲れてしまったとき、もう一度読み返して元気をもらいたいと思います!
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モニター
「全ては、睡蓮の湖から始まった。」このことに尽きると思います。情景の描写も素晴らしく、まるで自分がそこを知っているかのように思い描くことができました。エドウィンの一途な思いに知らず知らず手繰り寄せられるヘロンの様子がとても良かったです。運命の赤い糸があるならまさにこんな感じだろうと思いました。
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モニター
幼い頃、湖に落ちたヘロンは、助けてもらった青年の面影を抱き、大人になった。母が亡くなり、失望した父は抜け殻のようだ。ヘロンは『愛そのもの』が怖くなり、仕事に打ち込んだ。そんな時、強引で支配するような口調の男性に出会う。資産家で野性的、顔には傷を持つ怪しい男。なぜかヘロンの事を知っている、危険と思いつつも魅かれていくヘロン。わくわくしながら、一気に読み終えました。二人とも仮面をかぶっていたのかも……。
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モニター
かっては自分の家だったメモリー、生活の一部だったジョスリンビーチ、教会の鐘の音やかもめさえ、今はもう自分のものではなく時々訪れる愛すべき故郷でしかない。母を亡くして父からも愛することを忘れられたヒロインの前に、謎めいた大金持ちの実業家が現れた。彼女の生い立ちが寂しいものであればあるほど、応援したくなる。今度こそ、幸せになってほしい、愛する故郷で。まるで絵画のように美しいメロディーを奏でているような小説。
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モニター
これぞハーレクインの王道です。若く美しく勝ち気で純粋なヒロインと、紳士で謎めいて傲慢なヒーロー。面白くて、読んでてずっとときめいていました。古風な作風が逆に新鮮で、こんな作品に出合いたかったと感激。ハーレクイン通の方にも、ビギナーにも両方にお薦めしたい作品です。現代ものなのにヒストリカルのようで幻想的です。作中にあった結婚観には妙に納得させられ、必読です。話がいいところで終了するので、まだ続きが読みたいと切望してしまいます。この二人ならこの後も興味津々の展開が待ってそうなのに~とそれだけ残念です。
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モニター
なんてロマンチックなの!! 主人公のヘロンは幼い頃に両親を失っているため、自立心の強い女性に成長していました。過去に出会った庭師への思いもありますが、恋愛よりも、自分の仕事のキャリアを優先してきた彼女の前に、突如、意識していなかった異性を感じさせるエドウィンと出会い、徐々に惹かれていく様子がていねいに描かれていて、物語に惹き込まれていきました。心の中が温まる作品です。是非是非、読んでみてください♪
ロマンスの草創期に活躍した英国人作家。第二次大戦中、14歳の頃から労働を強いられ、苦しい生活の中で“現実が厳しければ厳しいほど人は美しい夢を見る”という確信を得て、ロマンス小説を書き始める。32歳で作家デビューを果たし、30余年の作家人生で約70作を上梓。生涯独身を通し、1989年に永眠するも、ロマンスの王道を貫く作風が今も読者に支持されている。