春の兆しが待ち遠しい、ある寒い日。カレンは旅先で、7年前に恋していたアレクシスに偶然でくわす。アレクシスは裕福な御曹司で、誰もが認めるプレイボーイ。当時17歳のカレンがまともに相手にしてもらえるはずもなく、ほのかな恋は惨めな想い出に終わったのだった。しかも再会した彼は、変わらぬ魅力を漂わせて声をかけてくるも、カレンのことなどこれっぽっちも覚えていないらしい。傷つく必要はないわ、どうせもう会うこともない人なんだから――胸の痛みをこらえてそう自分に言い聞かせたカレンだが、数日後、運命はさらなるいたずらを用意していて……。