ハーレクイン・シリーズ
キャロラインは、裕福な結婚相手を見つけるよう身内にけしかけられその晩も舞踏会に出席していた。美しいキャロラインにはダンスの申し込みが殺到したが、賭事好きな貴族たちの話は退屈でたまらない。ラヴレイスの詩を正確に暗唱できた男性と踊る、と彼女が挑発すると、男性陣はみな口ごもってうつむいてしまった。とそのとき、よく響く低い声がして見事に詩をそらんじてみせた。声の主はまぶしいほどの輝きを放つ、とびきりハンサムな紳士。キャロラインは彼にひと目で心奪われた――放蕩者のフレディが、ある賭のために舞踏会に現れたとも知らず。
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- 頁数
- 256頁 / 新書判
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- 発行日
- 2010年07月05日
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- 著者
- アン・ヘリス
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- 訳者
- 正岡桂子
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- 定価
- 901円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-33103-8
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- 書籍番号
- PHS-3
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モニター
舞台は英国摂政期のロンドン。主人公フレディは次期侯爵の放蕩貴族。『結婚したくなるような女性は存在しない』と豪語する彼は親友の挑発に乗り、自身の結婚も賭にしてしまう。そのためいつもは避けてきた退屈な舞踏会で婚活中のキャロラインに出会い、快活で率直で清貧な彼女を疑いつつも惹かれ始める。そのじゃじゃ馬馴らしっぷりが軽妙でサスペンスの要素もあり、苦手なヒストリカルということを忘れて楽しめる作品であった。
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モニター
この話はヒストリカルなのに主人公は現代の人みたいに自分の意見を持ってて面白かったです。二人の惹かれあっていくのがわかっているので読んでて楽しかったです。
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モニター
フレディの潔さやおだやかさ、筋の通った考え方に惹かれない女性は、まずいないだろう。でもそれ以上に、美しさと知性とたくましさを備えたキャロラインの魅力に、女性でありながらどんどん惹かれていった。出会うべくして出会った二人の未来まで続く幸せを、嫉妬心と憧れを持って、最後まで一気に読み進めて欲しい作品であった。
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モニター
最初はフレディとその親友が、結婚したい女性を見つけられるか、という賭けをしたことから物語が始まります。綺麗だけど破天荒で可愛いらしいキャロラインが、気球に乗ったり馬車を操ったりと、フレディや周囲の人間を次々に魅了していきます。ヒロインやヒーローだけでなく、キャロラインの兄弟や脇役たちが魅力的でした。このお話はただのロマンスではなく、少しサスペンス的な要素も入っていて、読んでいてとてもドキドキしました!!
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モニター
はっきり言ってヒストリカルはコミック派でした。でもヒーローとヒロインがお互いに少しずつ心を触れ合わせ、思いを深めていくのは小説ならではでしょう!リージェンシーというこの作品の設定時代自体がロマンティックです。もっとこの時代の作品が読みたくなりました。しかしこの作品のかくれた主人公はおじいちゃん侯爵かも? 実は一番のお気に入りになってしまいました。
イギリスはケンブリッジに住んでいるが、冬のあいだは夫とともにスペインのジブラルタル海峡に面したマラガのリゾート地で過ごすことが多い。青い海の白い波頭を眺めながら、涙あり笑いありの、ロマンチックな恋物語の構想を練るという。イギリスではすでに三十作以上の著作があり、うち十数冊はハーレクインのミルズ&ブーン社から刊行されている。