ハーレクイン・シリーズ
イタリアのシチリア島に残された葡萄園――。イザベルは会ったこともない叔父の遺産にとまどった。だが上司の裏切りに遭い、仕事も家もなくした彼女には、遠く離れた地で、人生をもう一度立て直したい思いがあった。イザベルは意を決して一人で島に渡ったが、待っていたのは、地元でワイナリーを経営する、ダリオの冷たい視線だった。彼はやむなく手放した葡萄園を買い戻そうと、やっきになっていた。素人に葡萄の栽培などできるはずがない。彼の目がそう告げている。しかし母国での生活を捨てた彼女にも、引き返す気などなかった。見知らぬ土地で、イザベルの新たな挑戦が始まった。
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- 頁数
- 160頁 / 新書判
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- 発行日
- 2010年05月20日
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- 著者
- キャロル・グレイス
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- 訳者
- 中野恵
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- 定価
- 723円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-22096-7
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- 書籍番号
- I-2096
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モニター
おいしい小説でした。ごちそうさま~。孤児だと思っていたヒロインに会ったこともない叔父の遺産としてシチリアの葡萄園が残されます。ヒロインは人生の新規まき直しにやってくるのですが、隣人であるヒーローは先祖伝来の葡萄園を取り戻したい…イギリス系の作家さんだとこのヒーローが旧家の傲慢ヒーローなんですが、そこはアメリカ系の作家さん、強引だけどさわやかヒーローです。やっぱり助け合ってこそのカップルですよね。とにかく葡萄園を立て直すと言うお話だけに、風光明媚なシチリアの描写にふんだんに出てくるワイン、おいしそうな食べ物と、実はこっちがメインかと思えるところも。おせっかいな親族も◎で読み終わるとほっこり幸せな気分になれますよ。
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モニター
イザベルは愛する人に裏切られ、相続した葡萄園での生活を始める為にイタリアにやってきます。そこで魅力的なダリオに出会います。ダリオも辛い過去を乗り越えるために葡萄園を買い戻そうと必死です。お互いに好きになってはいけないと思いつつ心惹かれていく過程にどんどん引き込まれてあっという間に読み終えてしまいました。シチリア島の風景や街並みもすばらしく葡萄園が舞台なのでワイン好きの方にもおすすめの一冊です。
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モニター
人生をやり直したいヒロインに叔父の遺産という形でイタリアでの生活が与えられます。困難に満ちた状況でも新生活に希望をもち努力するヒロイン。最初は追い出そうとしたヒーローもそんな彼女に惹かれていきますが、ともに過去の恋愛のせいで心に傷を負っているので素直な感情を見せません。互いの心情が丁寧に書かれているのでそんな二人がもどかしくてどうなるのか気になり最後まで目が離せませんでした。
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モニター
初めはシンデレラストーリーだと思い読み始めました。しかし読み進めていくうちに、ヒロインのイザベルが力仕事などの女性では難しい仕事を男性にしてもらう儚いだけの女性ではなく、自分の力でいろんな困難に立ち向かおうとする勇気をもった女性だということが分かりました。そんなイザベラが葡萄園のオーナーのダリオと出会い本当の自分を見つけていく「風邪とともに去りぬ」を髣髴とさせる1冊です。
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モニター
自立心の強い天涯孤独な、アメリカからやってきたヒロインが、シチリアの大地で人生の再出発をします。明日の成功を夢見て無謀にも、畑違いのワイン造りに挑戦しようと意気込むヒロインに、冷静に対応するヒーローです。彼はその、意志の強さに巻き込まれるようにして、心ならずも手を貸すことになります。頑固さでは負けず劣らずの二人は、似たもの同士といえるでしょう。心に傷を負っていても、魅力ある二人ですから、惹かれあうのも必然ですね。ラストには、一緒になって喜びを分かち合えた気がします。
大学三年生の年をフランスで過ごし、病院船で働きながら世界中を旅して回った。結婚後一年半、夫とともに英語の教師としてイランに滞在したのち、アルジェリアで二年間を過ごした。人生を活気に満ちたものにしようと、彼女は海外での生活に興味を抱き続けている。小説の執筆も、人生を生き生きさせる方法の一つだという。現在は太平洋を見渡せる山の頂に居を構え、発明家の夫とともに暮らしている。